「日本には、地図に載っていない村がある」 そんな噂を聞いたことがあるだろうか。 その名は――犬鳴村(いぬなきむら)。
封鎖されたトンネルの先に
福岡県に実在する「旧犬鳴トンネル」。 現在はコンクリートで封鎖され、立ち入り禁止となっている。 だが、かつてこのトンネルの先には、 “外部の法律が通用しない村”が存在していたという都市伝説が語られている。
「ここから先、日本国憲法は通用しません」 そんな看板が立っていたという話もある。 村に入った者は、二度と戻ってこない。 車が燃やされた、襲われた、という証言もあるが、 それらはすべて噂の域を出ない。
噂か、記憶か
犬鳴村の話は、映画や書籍にもなり、 今では“日本最恐の都市伝説”として知られている。 しかし、旧犬鳴トンネルは実在し、 その周辺での事故や事件も記録に残っている。
つまりこの話は、完全な創作とは言い切れない。 噂と現実の境界が曖昧になったとき、 人はどこまでを信じ、どこからを備えるべきなのか。
境界の先へ
あなたがこの話を読んでいる今も、 旧犬鳴トンネルは静かにそこにある。 封鎖されたその先に、何があるのかは誰にもわからない。 ただ一つ言えるのは―― 都市伝説は、忘れられた記憶の中で、今も息をしているということ。
次に語られるのは、あなたの足元に眠る話かもしれない。

