【X-DAY 第4話 東京湾の座標】

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猫のキャラクター

通信障害発生から96時間。


東京は変わってしまった。


人々は空を見上げることに慣れ始めていた。


巨大な影。


恐怖は続いている。


だが人間は慣れる。


それが一番怖い。

出発

早朝。


直樹たちは軽自動車に乗り込んだ。


拓也が運転席。


美咲が助手席。


直樹は後部座席。


そして。


少女も当然のように乗っていた。


「なんでいるんだ」


直樹が聞く。


少女は窓の外を見る。


「行くんでしょ?」


それだけ。


相変わらずだった。


車内

車内の画像

東京湾へ向かう高速道路。


車は少ない。


物流は乱れ。


交通量は半分以下になっていた。


ラジオからニュースが流れる。


行方不明者。


増加。


通信障害。


長期化。


政府による調査継続。


どれも解決していない。


「嫌な感じだな」


直樹が言う。


拓也が笑った。


「今さらか」


「お前は楽観的すぎる」


「そうか?」


「前だったら」


「宇宙人なんていないって言ってたぞ」


直樹は黙った。


反論できなかった。


美咲


少女

しばらく沈黙が続いた。


そして直樹は聞いた。


「お前は何者なんだ」


少女を見る。


白いパーカー。


長い黒髪。


表情は変わらない。


「またそれ?」


「当たり前だろ」


「どこから来た」


「どうして俺たちの前に現れた」


「何を知ってる」


少女は少し考えた。


そして言った。


「知りたい?」


車内が静かになる。


「知りたい」


直樹が答える。


少女は窓の外を見る。


「まだ早い」


全員がため息をついた。


東京湾

道路封鎖されている画像

午前11時。


到着。


しかし。


異様だった。


道路封鎖。


規制線。


警察車両。


自衛隊車両。


報道陣。


立入禁止。


東京湾沿岸は完全に封鎖されていた。


「何だこれ」


直樹が呟く。


拓也の顔が曇る。


「政府も何か掴んでる」


美咲は頷いた。


「間違いない」


空を見上げる。


巨大な影。


まるで。


この場所を見下ろしているようだった。


突破

「どうする」


直樹が聞く。


美咲が言う。


「通信」


バッグから取り出す。


プレミアムチャージWiFi。


接続。


通信開始。


一般回線は不安定。


だが。


まだ生きているネットワークがある。


美咲の指が走る。


地図。


工事記録。


港湾管理システム。


古い搬入口。


使われていない保守通路。


そして。


見つけた。


「ここ」


モニターに表示された。


封鎖区域の外から繋がる、

古い管理通路。


「行ける」


拓也が笑う。


「やっぱ通信は武器だな」


直樹は思った。


数日前まで、

Wi-Fiなんてどうでもよかった。


だが今は違う。


情報がある者だけが動ける。


情報がない者は立ち止まる。


それが現実だった。

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少女の言葉

規制線の向こう。


海風が吹く。


誰もいない。


少女が突然立ち止まった。


「近い」


「何が」


直樹が聞く。


少女は空を見る。


巨大な影。


そして。


初めて真剣な顔になった。


「人類はいつも同じ」


「警告を見つける」


「でも」


「信じるのが遅い」


直樹は言葉を失った。


なぜだろう。


その言葉だけは、

宇宙人の話には聞こえなかった。


まるで。


過去を知る者の言葉だった。

最後

損傷した倉庫の画像

規制区域の奥。


海沿いの倉庫群。


そこで。


美咲が立ち止まる。


「位置情報」


「ここだ」


全員が息を呑む。


モニターが示す座標。


消えた男。


最後に通信してきた場所。


その真下。


古い倉庫。


しかし。


倉庫の壁には、

巨大な焦げ跡が残っていた。


まるで。


何か巨大なものが、

空から降り立ったような。


そしてその瞬間。


空の巨大な影が、

再び動いた。


今度は誰の目にも分かるほど。

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