【X-DAY 第3話 接触】

X-DAY第3話サムネイル

猫のキャラクター

東京。

通信障害発生から72時間。


巨大な影は、

まだ空に浮かんでいた。


人類は、

ついに待つことをやめた。

購入

秋葉原。


小さな家電量販店。


直樹は列に並んでいた。


開店30分前。


すでに50人以上。


目当ては同じ。


通信手段。


「次の方どうぞ」


店員が言う。


直樹はカウンターへ向かった。


「これください」


プレミアムチャージWiFi。


拓也が使っていたものだった。


「本当に買うんだな」


後ろから声。


拓也だった。


直樹は苦笑する。


「笑えなくなったからな」


「あの映像見て」


「何も備えない方が怖い」


拓也は少し笑った。


「成長したな」

【プレミアムチャージWiFi】


政府発表

首相官邸記者会見の画像

その日の午後。


緊急会見。


首相官邸。


全国同時中継。


記者会見場は異様だった。


首相が言う。


「現在、対象との接触を試みています」


ざわめく記者。


対象。


つまり。


空の巨大な影。


政府はとうとう

UFOという言葉を避けなくなった。


SNSは機能していない。


だがニュースだけは流れる。


全国民が見ていた。


「現在まで攻撃的行動は確認されていません」


「しかし正体は不明です」


「引き続き冷静な行動をお願いします」


冷静。


その言葉が空しく響く。


新しい仲間

美咲登場の画像

その夜。


拓也が一人の女性を連れてきた。


「紹介する」


「美咲」


30代前半。


元通信インフラ技術者。


目つきが鋭い。


「初めまして」


「よろしく」


直樹は頭を下げた。


美咲は挨拶もそこそこに言った。


「通信障害じゃない」


「え?」


「これは抑え込まれてる」


部屋が静かになる。


「誰かが」


「意図的に通信を弱らせてる」


直樹は言葉を失った。


少女

その帰り道



受信

深夜。


プレミアムチャージWiFi。


美咲が設定を続ける。


拓也がモニターを見る。


直樹はコーヒーを握る。


突然。


画面が変わった。


ノイズ。


大量のノイズ。


そして。


映像。


誰かが映っている。


消えた会社員だった。


行方不明になっている、卓也の友人の男だ。


まだ生きていた。


「聞こえるか!」


拓也が叫ぶ。


男は振り返る。


疲れ切っている。


だが生きている。


「助けてくれ……」


「ここにいる……」


「まだいるんだ……」


「誰が?」


直樹が叫ぶ。


男は震えていた。


そして。


画面の奥を見る。


何かを見ている。


恐怖の顔。


「来る……」


通信が乱れる。


ノイズ。


ブラックアウト。


終了。


沈黙。

【プレミアムチャージWiFi】


位置情報

だが。


今回は違った。


美咲が叫ぶ。


「取れた!」


「え?」


「位置情報」


全員が立ち上がる。


モニターを見る。


東京湾。


海上。


ありえない位置。


そこには何もない。


海しかない。


だが。


位置情報は確かに存在していた。


「行くぞ」


拓也が言う。


直樹は頷く。


美咲も立ち上がる。


そして。


少女は窓の外を見ていた。


まるで。


結果を知っているように。

【プレミアムチャージWiFi】


最後

上空に浮かぶUFO画像

東京湾上空。


巨大な影。


初めて。


わずかに動く。


誰も気付いていない。


まだ。


人類は。


自分たちが観察されていることに。


X-DAYシリーズサムネイル画像